プロジェクトストーリー01
住宅事業
ブランズシティ
品川勝島

品川駅から3.2km、都心では貴重な大型用地を買収し進めた分譲マンション「ブランズシティ」のプロジェクト。住戸数は全356戸。そのすべてが南側に面した光あふれる物件である。また、CO2の排出を抑制し、省エネを実現するエネルギーマネジメントシステム、広い緑地帯の設置、集合住宅としては世界初となるエネファームを採用するなど、時代が求めるエコやエネルギーに配慮した、環境フラッグシップモデルでもある。

ブランズシティ品川勝島

1本の電話から始まる100億円規模のプロジェクト

『ブランズシティ品川勝島』の用地買収は2012年からスタートした。「この土地をやりませんか」と1本の電話をもらったことがきっかけだった。電話を受けたのは住宅事業本部用地買収チームのメンバー。大規模なプロジェクトになることを察し、すぐに動き出した。

土地を取得するには大きく分けると2つの手法がある。地権者と1:1で交渉する「相対(あいたい)取引」と、複数社が希望入札の金額を札でいれる「入札取引」である。入札では、取得価格がどうしても高くなりがちである。そこでいかに相対で取引できるようもっていくのも、買収という仕事の醍醐味のひとつである。

品川勝島にある今回の土地は、西に高速道路、東にモノレールが走っている東西に長い立地だ。倉庫街の跡地で最寄り駅からの距離も比較的あった。しかし広さがこれほどある都心の土地はまれで、さらに全戸を南向きに取ることも可能、大きな緑地帯をつくる余地もあった。住宅事業本部用地買収チームは、この買収を早々に相対で取引できるようにまとめたが、規模は100億円超すプロジェクトになるであろうことは、容易に想定できたという。

ブランズシティ品川勝島

やりがい、やりようをもって臨めば必ず打開できる

『ブランズシティ品川勝島』は土地の広さ、事業規模とも大型のプロジェクトであり、経営会議や取締役会にもかかる案件であった。社内の説得にも高いプレゼンテーション能力が必要になる。買収チームではリーダーを中心に、若手の2人が資料作成に取りかかった。リーダーは当時の社長に説明した場面を振り返る――。倉庫が立ち並ぶエリアにあるこの土地は、良くも悪くも個性の強いものであった。しかしそのとき、リーダーの脳裏には、当時の社長が年始の所信表明で発したある言葉がよみがえっていた。それは、「やりがい、やりようをもって臨めば必ず打開できる」。

リーダーは社長室に入るなり、「この土地を見て、『やりがい、やりようをもって臨めば必ず打開できる』という社長の言葉を思い出しました。ぜひ、やらせてください」と言い、土地の説明を行った。すると社長は、「やってみろ」とひと言うなずいた。ちょうどその頃、商業施設事業では『東急プラザ表参道原宿』を手掛けており、都会にありながら屋上に森があるといった環境重視のメッセージを発信していた。同様のことが住宅でもできるのでは、という話も加わった。

ブランズシティ品川勝島

環境に特化した住宅を
コンセプトとしてスタート

用地買収が無事成功すると、案件は用地買収チームより商品企画チームにバトンタッチされた。商品企画チームは消費者に向けた物件の打ち出しコンセプトを練り、設計・建設・完成までを監督指揮していく役割を担う。当時の環境認識への高まりを受け、環境創造型を意識したプロジェクトとして推進させていった。チームでは、「ブランズシェアデザイン」と命名し、エネルギーや環境、コミュニティを住民間でシェアする、いい住環境・街づくりの提唱を盛り込んだ。「環境面におけるBRANZのフラッグシップモデルをつくる」ことを目標に、社内のCSR担当や次世代技術センター、大学などとも連携しながら、同地の環境の検証などを行った。

その結果、国土交通省が推奨している省CO2先導事業の認定や、マンションで初めてエネファームを採用したことなどは、ニュースとして取り上げられた。新たなエリアでの新規の取り組みはマーケットを開拓する感覚が強く、メンバーの士気も高まった。同時に、「事業収支が守れるか」、「納期までにやりきれるか」といった課題に日々直面。それも強い意志とチームワークで乗り越えていった。

人とのパイプから
未来の価値を創造する

住宅事業には2つのパイプが存在する。まずは買収チームがもつ不動産系の協力会社とのパイプである。土地の情報は生もの、どこでどんな土地が出てくるのか、普段から数多くの協力会社とパイプをもつことが大事となる。しかも数だけではなく、深い信頼関係を築いていることが重要である。「東急不動産のあの人だから」と指名を受ける間柄でなければいけない。そのため土地の買収を行うチームには、長年携わっている者が多い。人間的に幅の広い対応力とコミュニケーション能力が求められる。そしてもう1つのパイプは、住まう人々とのものである。今回のプロジェクトのような大型住宅では、暮らし方やライフスタイルの提案を通じて、新たな価値を創造することになる。出来上がる建物は多くの人々の生活を生みだすとともに、新しい人の流れができ、街も変わる。そして何十年という長きにわたって、住民たちとともに成長していく。そんな未来を描きながら、仕事を行うのが住宅事業なのである。

ブランズシティ品川勝島
ブランズシティ品川勝島

※本記事記載の情報は2017年10月現在のものです。