プロジェクトストーリー06
海外事業
425パーク・アベニュー

世界の政治・経済・文化の中心地、ニューヨークマンハッタンのプラザ地区に建つオフィスビル『425パーク・アベニュー』の再開発事業に参画するプロジェクト。東急不動産の米国における事業としては過去最大規模。加えて、厳しい開発規制のあるプラザ地区において約50年ぶりの新規オフィスビル開発のため、現地でも大いに注目を集めている。

425パーク・アベニュー

ニューヨーク
マンハッタンでの
開発プロジェクトに参画

2015年6月――。東急不動産は、ニューヨークマンハッタンにおけるオフィスビル『425パーク・アベニュー』の再開発事業に参画することを報道発表した。ニューヨークにおいて海外不動産企業2社が推進していた事業に、共同ディベロッパー・共同投資家として参画するというものである。

そもそもこの開発計画は10年ほど前から構想され、共同事業者等により進められていたのだが、地権者との問題や資金の調達、果てはニューヨーク市特有の厳しい開発規制などから難航。ようやく市より建築承認を取得し、事業を本格化させるにあたり、強力なパートナー企業が求められていた。そこで白羽の矢が立ったのが東急不動産である。

これまで東急不動産では、国内で培った豊富なノウハウを活かし、アジアを中心に海外事業に取り組んでいたが、2012年からは米国にも現地法人を設立。ロサンゼルスを拠点に不動産投資をスタートした。その際、今回の共同事業者のうちの1社とも協業したことから、その実績を評価されてのアプローチだった。

425パーク・アベニュー
425パーク・アベニュー
425パーク・アベニュー

得意分野をもつ
精鋭達により、
プロジェクトチームが結成

東急不動産がこれまで米国で手がけてきたのは稼動済の案件がほとんどで、今回のような開発まで行う事業は初めて。しかも、スケールが違う。社内でも賛否両論があったが、最終的に「GO」と決定したのは、ひとえに海外事業を成長事業と位置づけ、新たな事業基盤を構築したいという目標があったからにほかならない。これは2014年11月に発表された中長期経営計画でもはっきりと明記されている。とりわけ安定的な利益が見込まれる米国での事業は期待値が高い。

そうした海外事業の核となるような超大型プロジェクトの遂行のために集められたのは、ファイナンスや開発、リーシングなど、それぞれ得意分野をもつ4名だ。もちろん、この中には海外でのビジネス経験が豊富な者も含まれている。2015年2月にパートナー企業と事業協定書を締結してから2ヵ月後の4月、新チームが結成された。

20代から50代まで世代も違えば、職歴もバックグラウンドも異なるメンバーだが、チーム内はフラットな組織で、それぞれの強みを発揮しながら、全体としてのパフォーマンスを高めている。チーム発足から日にちは浅いが、結束力はすこぶる強い。なぜなら、この大型プロジェクトに携われることに、誰もが誇りをもって取り組んでいるからだ。その後、3名が新たに加わり、≪米国プロジェクト推進部≫として分離独立、本案件に注力している。

ビジネスは“人と人との
信頼関係”の上に
成り立つもの

外国企業とのビジネスは、さまざまな困難が伴うものだ。新チームが発足した当時は、日本にいながらのやりとりだったため、相手の顔が見えない、時差がある、商習慣が違うといったハードルが多々あった。さらに、相手側の中には日本人との取引は初めてという人もいて、順調とは言い難いものだった。4月の半ば、チームメンバーがニューヨークに赴き、パートナー企業と顔合わせをするまでは、特にもどかしい日々が続いたという。

だが、ビジネスというのは、結局のところ、"人と人との信頼関係"の上に成り立つものだ。それは肌の色が違っても、育った環境が違っても変わらない。まずは相手からの信頼を得ることが大事。そこで、チーム全員ができることから始めた。ニューヨークのオフィス時間に合わせて、毎週朝7時から現地と電話会議を行ったり、毎日Eメールで連絡を取り合ったり。また、ゴールデンウィークや祝日は米国にはないため、そうした休日も返上して打ち合わせを行い、気になることがあれば、こちらが夜中であろうと電話で問題解決を図った。特に現地まで足を運び、直接顔を合わせることには意識をした。月に1度は出張して足を運び1週間みっちりミーティングを行った。加えて13時間のフライト、13時間以上の時差など、体力的にも過酷な業務であった。時には時差の影響で、朝起きた時に自分がどこにいるのか、今日が何曜日なのか分からないこともあったという。ただ、こうしたパートナーに配慮した動きでコミュニケーションを密にとっていくうちに次第に打ち解け、当初互いに感じていた不安は払拭。最近では、電話会議はニューヨーク時間の22時から実施されるようになった。これは東京の午前11時に相当する。双方が無理なく会議ができるようにというパートナー側の配慮によるものだ。お互い信頼し合える関係を構築すること。それが海外でビジネスを成功させる秘訣といえるだろう。

425パーク・アベニュー
425パーク・アベニュー
425パーク・アベニュー

2018年の完成を目指し、
果敢な挑戦は続く

ニューヨークマンハッタンには築100年を超えるビルが当たり前に存在する。開発規制が厳しいこともあり、パーク・アベニューでのフルブロックの新規オフィス開発は長年行われておらず、今回のプロジェクトは約50年ぶりの大型開発事業。その注目度の高さには驚くばかりだ。

香港上海銀行本店やアップル社の新本社デザインなどで名高いノーマン・フォスター氏による設計・デザインは、21世紀のオフィスビルと呼ぶにふさわしいものだ。旧来の建物の一部を残しつつ、最新のセキュリティと技術インフラを整備した地上47階の超高層ビルは、上層階からはセントラルパークの眺望が楽しめ、ハイグレードなオフィス空間を提供する。長さ約50mの巨大な3本のフィンが建物の頂上にそびえ立ち、新たなランドマークの目印となるはずだ。

ニューヨークのど真ん中、ここでしか存在しえないビル。それが『425パーク・アベニュー』だ。竣工予定は2018年。それまで幾多の困難があることだろう。だが、完成すればきっと米国のオフィスに対する考え方に変化をもたらすに違いない。パートナー企業と手を取り合い、東急不動産の果敢な挑戦は続く―――。

※本記事記載の情報は2017年10月現在のものです。