プロジェクトストーリー07
都市事業
渋谷再開発プロジェクト

東急不動産の本拠地である渋谷の再開発プロジェクト。駅周辺の回遊性を高めるだけでなく、エリア全体の人の移動をスムーズにし、新たな賑わいを創出する。「日本一訪れたい街」をめざし、関係各者と連携しながら進行中。

渋谷再開発プロジェクト

日本一訪れたい街をめざす
大規模プロジェクト

「日本一訪れたい街」をめざし、いま渋谷駅周辺では複数の再開発事業が進んでいる。100年に一度ともいわれる大規模プロジェクトだ。

明治期に駅が開業して以来、東急、JR、東京メトロ、京王の4線が乗り入れるターミナル駅の街として、渋谷は発展してきた。また、若者のファッションや文化の情報発信地としても知名度を高めている。

しかしながら、駅施設の度重なる増改築や、1964年の東京オリンピック前後に建てられた各種施設の老朽化により、安全性や利便性、快適性の向上が必要になってきた。折しも、2005年に都市再生緊急整備地域に指定されたことから、公民連携のもと、街が抱える課題を抜本的に解決しようと、再開発の気運が高まったのである。

再開発エリアは大きく分けて5つある。このうち東急不動産が関わっているのは、「道玄坂一丁目駅前地区」と「渋谷駅桜丘口地区」の2つだ。

道玄坂一丁目駅前地区は、空港リムジンバスの発着場や観光支援施設を備えた、渋谷の新たな玄関口として魅力ある街づくりを進めており、2019年秋に竣工予定だ。一方、渋谷駅桜丘口地区では「住む・働く・遊ぶ」を兼ね備えた、多言語対応可能な複合施設群を整備。国際都市・渋谷を代表する施設として2023年度の開業をめざしている。

渋谷再開発プロジェクト

再開発は地権者から
合意を得ることが前提

とかくダイナミックで華やかに見られがちなデベロッパーの仕事だが、実は地道で、泥臭い。なかでも再開発事業がそうだ。

そもそも再開発は、地権者の意思によって、事業の可否が決定される。デベロッパーはあくまでも不動産のプロとして、地権者に寄り添いながら一緒に考えていく存在だ。同時に、事業協力者として、事業全般をさまざまにサポートしながら、施設計画を検討する。

したがって、地権者の合意を得ることが、デベロッパーの最初の仕事となる。これが難しい。誰もがみな同じ考えとは限らないからだ。まるでわが子のように手をかけ、管理してきた自社ビルが、ちょうど再開発エリアに該当していたため、取り壊さなくてはならなくなった地権者もいる。当然のごとく、交渉は難航する。だが、その一角を外してしまうと、道路を整備することができない。地権者の思いも理解できるだけに、板挟みの気分に陥ることはしょっちゅうだ。

また、所有者確認する登記簿騰本が長い間更新されず、地権者がいったい誰なのか不明のケースもある。だからといって、「わからなかった、知らなかった」では済まされない。そんなときは、地権者探しに奔走する。まるで探偵のようだが、見つけない限り、事業は進まないのだ。

渋谷再開発プロジェクト

大切なのは、
調整役として
「最適化を図る」こと

そこで求められるのが、デベロッパーの調整力だ。あらゆる不動産知識をフル活用して、「人間力」で調整していく。人間力とは、相手の懐に飛び込む勇気と、相手の事情を理解しようとする姿勢である。

不動産とは、過去のいきさつをすべて抱え込んでいるものだ。それゆえ、再開発事業をきっかけに、丸く収まっていたものが崩壊し、さまざまな問題が噴き出すことがある。そんな複雑な事情が絡み合った問題を、法の下に、一緒に解いていくこともデベロッパーの大切な仕事だ。ただし、肩入れしたり、折れたりしてはいけない。公正公平であることが絶対的なルールだ。誰もがみな満足という「正解」はなかなかない。だが、「最適な答え」は必ずある。視点を一定化せず、相手から見た視点や第三者からの視点など、その都度、切り替えながら、最適化を図る。これぞデベロッパーの腕の見せどころだ。

こうした個々の事情に配慮しながら、国際競争力の高い都市にふさわしい施設計画を推進していくことは、簡単なことではない。たとえば、昔ながらのこぢんまりとした商店が将来の建物にそぐわないからといって、入居をお断りすることはできない。どう共存共栄するか。それを探すことが再開発だ。

渋谷再開発プロジェクト

「渋谷の街を良くしたい!」
という強い思い

東急不動産では、2008年7月に準備組合が設立された道玄坂一丁目駅前地区や2008年8月に準備組合が設立された渋谷駅桜丘口地区等、事業協力者として本格的に大規模複合再開発事業に取り組んでいる。

前例のない大規模プロジェクトのために集まったのは、サラリーマン人生の大半を賭けてでもやり遂げたいと決意した挑戦者たちだ。再開発事業は、結果が出るまで途方もなく時間がかかる。10年先か、15年先か。その間には何が起こるかわからない。常にリスクを孕んでいる。それでも粘り強く取り組んでいるのは、「渋谷の街を良くしたい!」、ひいては「よりよい社会のために貢献したい」というブレない思いがあるからだ。この街に暮らし、この街を愛してきた人たちとともに、日本のみならず、世界に誇れる街にする!

着手してから10年余り、ゴールはもう少し先だが、渋谷の街は間違いなく良くなる。その手応えはしっかりと感じている。