“森”を中心に“まもる” “つかう” “つなぐ”
持続可能な地域循環サイクル
『もりぐらし』がもたらす未来

東急不動産が描く環境先進ストーリー

DATE 2024.06.28

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  • #新しい過ごし方
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2017年「東急リゾートタウン蓼科」よりはじまった森を想い、未来へつなぐ取り組み『もりぐらし』。プロジェクトはその後、地元企業や自治体といった地域とのつながり、協力を得て全国へと広がっています。
2022年3月には、東急不動産株式会社と東急リゾーツ&ステイ株式会社、長野県茅野市で諏訪地域の脱炭素化を目指す「地域循環共生圏に関する包括連携協定」も締結。共に協力し八ヶ岳西麓地域の環境を守り、カーボンニュートラルな街づくりに挑戦しています。今回はこの『もりぐらし』に携わる東急不動産の担当者が、その現在・未来を語ります。

PROFILE

石原 宏基

ウェルネス事業ユニット
ホテル・リゾート開発企画本部
ホテル・リゾート第二部 開発企画グループ

“森”の魅力に着目して見えた新しいリゾートライフの在り方

東急不動産は環境先進企業として「脱炭素社会」「循環型社会」「生物多様性」の3本柱で環境への取り組みを推進しています。
その一環として、別荘地の分譲から50年近くが経ち、所有者の高齢化、広大な森の維持管理など、さまざまな課題を抱えていた「東急リゾートタウン蓼科」(長野県)の活性化を目的として、2017年に『もりぐらし』を始めました。私たちは施設とともにある豊かな自然・森の恵みと魅力に改めて着目し、「森で食べる」「森と遊ぶ」「森に泊まる」「森で癒す」「森で働く」「森で暮らす」をテーマに、自然と親しみ、森とともに過ごすさまざまな環境への取り組みと新しいリゾートライフのご提案を行っています。

リゾートタウンを囲むカラマツの森がCO2を吸収

地域のみんなで支える人と自然の未来

『もりぐらし』をスタートさせた時は東急リゾーツ&ステイ単体での取り組みでしたが、森を守っていくためには、地域の方々の協力も必要です。そこで、2022年3月には東急リゾートタウン蓼科のある茅野市、東急不動産株式会社、東急リゾーツ&ステイ株式会社、諏訪地域の脱炭素化をめざす一般社団法人諏訪広域脱炭素イノベーション協会とで脱炭素化を目指す「地域環境共生圏に関する包括連携協定」を結ばせていただきました。

地域循環共生圏の概念図

総合デベロッパーで初のJ-クレジットを取得!森を管理することで脱炭素社会へ

2017年の『もりぐらし』エリア開業と同時に、間伐などで森の木々の成長を促してCO2吸収量を増やし、その間伐材をバイオマスエネルギーとして利用することも始めました。特にCO2の吸収量の増加を評価いただき、2022年6月には総合デベロッパーとして初めて、国が認証する「J-クレジット」を取得しました。

森林経営に基づくCO2排出削減プロジェクト図

小さな取り組みがやがて大きな循環型社会へ

循環型社会については地産地消の取り組みを進めています。具体的には、ホテルのレストランで出た廃棄食材をコンポストで堆肥化し、その堆肥を地元の農家の方にご提供、そこで採れた野菜をホテルが仕入れてレストランで提供するといったスモールな循環型社会の実現からスタートしました。

2023年には、お客さまが野菜などの栽培や収穫に触れ、採れたてのものを食べることで、自然との共生を楽しみながら食の循環や森の循環を学び、体験していただける施設「エディブルガーデン」をオープンいたしました。ここで使われる堆肥はもちろんコンポストで作られたものです。

収穫体験の様子
“食べられるお庭”をテーマにした体験型スポット「エディブルガーデン」

生物多様性の保全に取り組み、「自然共生サイト」に認定

2024年2月には、スキー場・ゴルフ場を含めたリゾート施設で初めて「自然共生サイト」の認定を取得しました。「自然共生サイト」とは、企業の森や里地里山、 都市の緑地など民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域を環境省が認定する制度です。
東急リゾートタウン蓼科では、およそ 660ha の広大な敷地の一部が国定公園に指定されており、また敷地の一部が森林経営計画に基づき適切に森林管理され、モニタリングによって豊富な生物多様性が守られています。環境省や長野県でレッドリストに登録される希少種が数多く確認されるなど、事業地での草原性の動植物の特徴的な生息・生育などが評価され、認定を取得することができました。

プロダクトを超えて“つなぐ” “つながる”

自然を活かしたコンテンツ作りと同様に力を入れているのが、『もりぐらし』のコンセプトの一つである“都市と自然をつなぐ”を体現した商品の開発です。

蓼科では森を維持するために敷地内で間伐されたカラマツを利用したオリジナル商品「TATESHINA by MORIGURASHI」を販売しています。
「ordinary(日常)」シリーズとしてシューズの消臭・乾燥剤に使える「カラマツのサシェ」、日常の暮らしを香りで彩る「ウッドディフューザー」と「フォレストキャンドル」、ナチュラルな香りの虫よけ「カラマツのアウトドアスプレー」がラインナップ、「special(特別)」として、クラフトビールである「カラマツのHAZY IPA」を提供しています。
いずれの商品も敷地内で間伐されたカラマツが使用されており、日常の暮らしの中で「森」を感じることのできる商品です。

ordinary 「KARAMATSU SACHT(カラマツのサシェ)」
ordinary 「FOREST CANDL(フォレストキャンドル)」

今後も豊かな森や自然を満喫できる体感型のコンテンツをさらに充実させるなどして、これらの取り組みをさらに進化・推進し、森を守り、育てるリゾートの開発・運営をおこなっていきたいと思います。

  • 8 働きがいも経済成長も
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

東急不動産ホールディングスグループは、2015年に国連サミットで採択された2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献しています。持続可能な世界を実現するための17の目標のうち、取り組む項目を定め、SDGsを起点にサステナブルな社会と成長をめざします。本プロジェクトにおいては、上記の目標の達成に寄与するものと考えます。