• Access

Challenge the Frontier Challenge the Frontier

vol.242020年10月22日

「東京ポートシティ竹芝」篇

多様性に満ちたメディア・ラボとしての街の魅力

一般社団法人CiP協議会 City&Tech 委員会 委員長 石戸 奈々子さん

東急不動産が竹芝で進める街づくりのパートナーである慶應義塾大学大学院教授の石戸 奈々子さんは、子どものための創作活動の博覧会「ワークショップコレクション」を主宰するなど、教育やメディア領域で活躍しています。竹芝では、国際ビジネス拠点を形成すべく設立された一般社団法人CiP協議会のなかのCity&Tech委員会をリードしています。竹芝における街づくりの可能性について、話を聞きました。

街全体で先端技術の実装ができる竹芝エリアの可能性

竹芝プロジェクトでは、CiP協議会への参加とともに、協議会の運営団体のひとつであるKMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)の教員として、関わってきました。また、協議会のなかで、「スーパーシティ」構想を実装する都市モデルの開発を進めるCity&Tech委員会の委員長を務めています。ここ竹芝を国際ビジネス拠点として、日本の誇る先端技術のショーケースとして、世界中から訪れる人々にどう展開するのか。東急不動産をはじめ、総務省や東京都、さまざまな企業、IT関連の業界団体や研究者の皆さんとともに、先端技術の実装に向けて議論しています。

「東京ポートシティ竹芝」の完成で、いよいよ活動の拠点が整い、私たちのKMDもオフィスタワー8階に移転しました。デジタルアートで彩られたこのフロアはポップカルチャーとテクノロジーの集積がコンセプトで、私が関わる教育はもちろん、エンターテインメントなどさまざまな領域の企業や団体が入ります。

CiP協議会には、「シリコンバレーとハリウッドの日本版融合」「コスプレが集いロボットが飛び交う基地」「新産業創出の永久機関」「国際的大学と未来の幼稚園」「クリエイターと起業家の同棲」「21世紀の出島」「毎日がワークショップコレクション」「産学官のプラットフォーム」「東西クールの交差点」「海と空の窓口」と、先端技術の未来を描いた夢のある構想やアイデア、10か条のビジョンがあります。

さらにCity&Tech委員会では、このビジョンを竹芝エリアで具現化すべく、「自動運転」「おもてなしや警備へのロボット活用」「ワイヤレス給電」「超大型パブリックビューイング」「防災用サイネージ」「ドローン輸送・海の手線」「街中デジタルアート」「データ流通プラットフォーム」とテーマを立て、順次実装していく計画が進んでいます。先端技術の実装は、個々にバラバラとではなく、すべてひとつのエリアに集約して行うことで、新しい街づくりの実験になると思っています。そういった面で、竹芝エリアは絶好の研究フィールドだと考えます。

自らがアクションを起こして進める理想的な街づくり

私が竹芝に願うのは、「つくる場所」であってほしい、ということです。消費したり、鑑賞したりするよりも、つくることに主眼を置いてほしいのです。私はいつも、主体的で協調的、創造的な学びの場の必要性を感じています。それは都市にも共通していて、すべての人が主体的にアクションでき、さまざまな人とコラボレーションしながら、新しいものを生み出していく姿が理想です。

創造性は、すべての人が持っています。だから、誰かひとりの天才がポンとやるよりも、集団の方が、クリエイティビティーが飛躍的に伸びる。偶然の出会い、セレンディピティが都市にはあふれています。都市の役割は「密」であり、人間は、誰かとつながり、出会うことを求めています。コロナ禍で「密になるな」と言われても、私たちは熱気のあるライブを心待ちにし、オンライン授業を受ける学生からは、対面授業を望む声が上がります。

しかし、竹芝エリアがめざすのは、にぎわいでなく、「密ではない集積」です。例えば、ロボットは密でも、人間は密ではない、という風に。これを新しい技術でどうデザインするかが、竹芝のチャレンジだと思っています。

私は以前、MIT(マサチューセッツ工科大学)のメディアラボで研究していました。設立以来、未来社会に対するデジタルのビジョンを世界に打ち出してきたラボです。オープンな雰囲気で、つくりたいものをいつでもつくれる空間があり、多様性と深い専門性を持った研究者が常にフラットな関係で、新しいチャレンジにも寛容でした。ここ竹芝は、「空と海の玄関口」であり、産官学連携で、常に社会実装の実験ができるので、「メディアラボの都市版」にできたらいいなと思っています。

竹芝における街づくりの魅力は、先端技術を集積し、なおかつ、テストベッド(実証実験のプラットフォーム)として開放するというコンセプトにあります。地理的な魅力があり、みんなでつくる街だということ。自分たちが考え、理想とする街を自らの手で、自らがアクションを起こして、つくっていく。それは、これからの街のあるべき姿だと思います。

AIやロボットが人間の労働を代替し、空いた時間を活用して自分の創造性を発揮する。新しい技術が入ることで、よりいっそう、ワークライフバランスの垣根がなくなります。ニューノーマルという概念は、職住近接から職住一致、さらには、住む場所も自由になり、多様な生き方が許される社会を意味します。そんな多様なライフスタイルが、この竹芝エリアにも、あればあるほどいいと思っています。

パートナーの理解があるから結びつけられる理想と現実

実は、東急不動産には堅い会社のイメージがありました。ところが、一緒に仕事をしてみると、むしろどこよりも前のめりでした。私がCity&Tech委員会で唐突なことを言っても、皆さん面白がってくれて、次の週にはミーティングがセットされていることがあって驚きました。前向きな気持ち、実現に向けたスピード感、力強さ、それらがすごく心地良く感じます。こんな空気感のある会社だから、ほかと違う新しい街づくりができるのだと思います。

優れたアイデアは、提案するだけではダメで、それをいかにして具体化するか、ということが大切です。ひとりでやるのではなく、いろいろな人たちとともにつくる、コラボレーションする。そんな風に、竹芝エリアが、自らつくり出すエネルギーを持った人たちが集まる場所になったらいいと思います。

私の座右の銘は、メディアラボ時代に教えてもらった「Imagine & Realize(=想像と創造)」です。大切なことは、想像することだけではなく、それを実現すること。竹芝エリアには、今、まさにそれがあります。

Project Information

名称 東京ポートシティ竹芝
事業主体 株式会社アルベログランデ
(東急不動産と鹿島建設が設立した事業会社)
所在地 東京都港区海岸一丁目20番9他
延床⾯積 約 201,410m2
建物規模 A街区 地上40階、地下2階/B街区 地上18階
開業 2020年9月14日

4.質の高い教育をみんなに

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

11.住み続けられるまちづくりを

15.陸の豊かさも守ろう

17.パートナーシップで目標を達成しよう

東急不動産ホールディングスグループは、2015年に国連サミットで採択された2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献しています。持続可能な世界を実現するための17の目標のうち、取り組む項目を定め、SDGsを起点にサステナブルな社会と成長をめざします。
本プロジェクトにおいては、上記の目標の達成に寄与するものと考えます。

Challenge the frontier

最新の記事はこちら