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vol.332021年03月31日

「再生可能エネルギー事業」篇

多様な関係者と調整を図りながら、
発電所構築をマネジメント

地球温暖化がもたらす大規模災害の頻発、ESG投資の拡大、政府が掲げる「脱炭素化社会」の長期目標などを背景に、再生可能エネルギーを用いた発電インフラがますます注目されています。

ここでは、私たちが展開する再生可能エネルギー事業「ReENE(リエネ)」において、発電所を構築していくプロセスの一端をご紹介します。当社が全国で手がける計53事業(2020年12月末時点)のうち、風力発電所と太陽光発電所を一か所ずつピックアップ。各プロジェクトを推進したメンバーに、話を聞きました。

1. リエネ銭函(ぜにばこ)風力発電所

南場 一輝
インフラ・インダストリー事業本部 再生可能エネルギー第一部 風力開発第二グループ

北海道札幌市より車で約30分、小樽市にある「リエネ銭函風力発電所」は、松前市で立ち上げた「リエネ松前風力発電所」に続いて、当社が手がける2か所目の風力発電所です。2020年2月より、運転を開始しました。

<発電所概要>

所在地 北海道小樽市銭函
敷地面積 107,747m2
風車 10基
定格容量 34.0MW

本発電所は、小樽市の中でも風力発電に適した強い風が安定的に吹くエリアに立地しています。海岸沿いに並ぶ全高148メートルの風車10基と、蓄電池8台から構成されており、年間で一般家庭約1.6万世帯分に相当する電気を発電しています。

電力会社が消費者に安定して電気を供給するためには、需給バランス(電気を作る量と電気の消費量)が重要です。風力事業の発電量は、風の状況に応じて刻々と変化するため、安定した供給を求める北海道電力の厳しい技術要件を満たすため、設計やチューニングには、かなりの試行錯誤を重ねています。本発電所では、エネルギー密度が高く、高効率・長寿命などの特長を有する「NAS蓄電池」を8台設置することで、風による発電の出力変動を吸収し、安定した電力供給を可能にしました。

発電所の構築プロセスでは、風車メーカーと蓄電池メーカー、建設業者、オペレーション&メンテナンス業者、電力会社など、多くの事業者が関与しています。しかも各社の担当業務が細分化されていたため、プロジェクト全体の調整および管理には細心の注意を払いました。さらには、1,200トンクレーンを使った風車組立工事が強風によって数日間停止したり、機器・システムの不具合発生、技術要件を満たすための試験の繰り返し実施など、開発期間中は数多くの難題に直面しました。

しかしながら関係各社の協力のもと、工期短縮に向けて実施した創意工夫に加え、リエネ松前などの開発を通して部内に蓄積してきたノウハウを、マネジメントと現場業務に最大限活かしました。その結果、当初の予定より約1か月早い2020年2月20日に、本番稼働することができました。

山中 慎司
再生可能エネルギー第一部 風力開発第一グループリーダー

リエネ銭函風力発電所の設置にあたっては、風車と基礎、蓄電池システムなどを個別発注としました。いくつかの困難な局面もあった中で、担当者はすべての工程を十分に把握しており、高いレベルの現場マネジメントを貫徹してくれました。

なお、北海道は事業者に求める電力制御などの水準が、日本で最も高い地域です。ハイレベルな要求に応えながら、発電設備内にさまざまなデータを蓄積し続けることは、今後の事業展開においても大きな財産になると考えています。

2. リエネ行方(なめがた)太陽光発電所

熊谷 亮
インフラ・インダストリー事業本部 再生可能エネルギー第二部 開発推進グループ

リエネ行方太陽光発電所は、国内有数の日射量を誇る関東平野の霞ヶ浦畔、茨城県行方市に位置しています。本発電所の特徴は、既存の農業用溜池を中心とした7つの太陽光パネル設置エリアで構成されている点です。本事業用地は行方市から賃借させていただき、2020年10月に運転を開始しています。

<発電所概要>

所在地 茨城県行方市手賀
敷地面積 282,000m2
定格容量 27.8MW

本事業は行方市所有土地の有効活用プロポーザルにおいて当社提案が採用されたことに始まり、FIT(再エネの固定買取価格制度)権利取得から売電開始まで、当社単独で推進しました。

再生可能エネルギー発電所建設では、既存環境への配慮が重要となります。本事業用地および周辺は樹木と溜池と耕作地が混在しており、「オオタカ(環境庁評価:準絶滅危惧)」の営巣環境を備えてました。そのため、地元自然保護団体へ本発電所建設による「オオタカ」への影響調査を依頼しました。結果として過去から現在において営巣した履歴のないことがわかり、地元自然保護団体の了解の下、本事業を進めました。

再生可能エネルギー事業は、建設期間を含めると20年超のプロジェクトとなるため、地元からご理解をいただくことがとても重要です。本事業は行方市有数の発電能力を誇る再生可能エネルギー発電所建設となるため、行方市民から注目されるプロジェクトでした。行方市民からいただいた"本事業地内の桜を伐採しないで活かして欲しい"とのご要望については、当初の計画を見直し移植対応するなど、行方市および行方市民から理解をいただけるよう取り組みました。

本事業は予期せぬ課題が沢山ありましたが、その都度、電力会社、行政、行方市民、および施工会社の皆さまにご尽力いただき、売電開始を迎えることができました。

花田 英士
再生可能エネルギー第二部開発推進グループ 統括部長兼グループリーダー

私たちが再生可能エネルギー事業を円滑に推進するためには、自治体や地元住民、水利権者など、多様な関係者への丁寧な説明の中で合意形成を図っていくことが、きわめて重要だと考えています。再生可能エネルギーのビジネスは、地球規模の課題解決に不可欠であり、人々の注目も高まっているわけですが、だからこそ個別プロジェクトごとに、地元の方々との信頼関係を地道に築き上げていく過程が、必要不可欠なのです。

将来的には、ReENEブランドで展開する全国各地の事業で、再生可能エネルギーの地産地消モデルを確立したいと考えています。また、大規模災害時にも安定して電力が供給できる体制を再生可能エネルギーによって構築することは、日本社会の重要なテーマでもあると認識しています。東急不動産ならではの現場力・マネジメント力を活かして、本事業を順調に拡大しながら、社会からの信頼をより強固なものにしていきます。

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

17.パートナーシップで目標を達成しよう

東急不動産ホールディングスグループは、2015年に国連サミットで採択された2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献しています。持続可能な世界を実現するための17の目標のうち、取り組む項目を定め、SDGsを起点にサステナブルな社会と成長をめざします。
本プロジェクトにおいては、上記の目標の達成に寄与するものと考えます。

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