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vol.372021年11月26日

「大船再開発」篇

長い時間をかけて、
街に新たな命を吹き込む

東急不動産では、多様な生活シーンを融合させた多機能複合型のまちづくりで、地域の課題解決に貢献する再開発への取り組みを続けています。再開発事業は、ある時代に整備された街・建築物を、再び新しい時代に合った利用形態へ再整備することです。その目的は、老朽化した施設やインフラの更新による都市機能の強化、業務・商業施設や住宅の一体的な開発によるにぎわい創出など、多岐にわたります。

横浜市と鎌倉市にまたがる交通の要衝・JR大船駅では、20年以上にわたって駅前複合再開発プロジェクトが進められてきました。当社は2014年に事業参画し、今年2月に大型商業施設「GRAND SHIP(グランシップ)」と住宅棟「ブランズタワー大船」がオープン。7月についに全面開業し、街に新たなにぎわいが生まれはじめました。

再開発事業を完成させるまでには、官民さまざまな立場の方が関わり、長い時間をかけて複雑なプロセスをたどります。ここでは、当社が携わってからの7年強、大船再開発プロジェクトでどんな困難に直面したか、当時の担当メンバーが振り返ります。

(左から。肩書きは現職)
柴田 篤
ソリューション推進部 カスタマーリレーショングループ

小峰 慎司
戦略事業ユニット 海外事業本部 インドネシア事業室

高野 英太郎
コーポレートコミュニケーション部 IR室

本村 一馬
住宅事業ユニット 再開発事業本部 事業推進部 事業企画グループ

渡邉 健之
住宅事業ユニット 再開発事業本部 事業推進部 事業企画グループ

「街を良くしたい」という想いで一致団結

当社が本プロジェクトの事業者に決まったのは、2014年の春に遡ります。当初は前年秋に決まる予定だったものの、競合社とのデッドヒートでコンペが長期化。最終的には当社の強みである幅広い事業領域が評価され、3月末に事業協力者として選定されました。

事業参画決定後、本組合の設立までは順調に進んだものの、今度は工事金の高騰という壁が立ちはだかりました。一時は事業中断も検討するほどでしたが、ここぞというところで権利者の方々、横浜市、施工者やコンサルティング会社と当社が一致団結。関係者で議論に議論を重ね、結果的には少しの遅延だけで事業を進めることができました。関係者全員が「街を良くしたい」という想いで通じ合っていたからこそ、乗り越えることができたと思っています。

"生まれ変わる街の魅力"をいかに伝えるか

2017年に解体工事が始まり、販売開始は2018年の12月。この間にも、施設計画のデザインや住宅プランの打ち合わせ、権利者さまとの調整、さらに行政や関係各署との協議などに奔走しました。

販売においては、「本プロジェクトによって生まれ変わる街の魅力」をどれだけお客さまにイメージしていただけるかがポイントと考えました。そのためにどうすれば物件の魅力がお客さまに伝わるのか、営業担当者や広告代理店と議論を重ねました。こうした努力の甲斐もあり、ブランズタワー大船の堅調な販売につながったと思います。

コロナ禍でのタイトな工期の末、竣工

着工後に苦労したのは、工事中も駅利用者の足を止めるわけにはいかないということです。駅前広場の工事は、終発バス30分後から始発バス30分前という夜間の4時間に限られました。同時に電線の地中化をはじめとするインフラ整備を並行して進めるなど、工事・工程調整の難易度は非常に高かったと思います。

さらには竣工までのタイトな工期の中、コロナ禍での施工会社との工事継続に関わる交渉、工程管理、権利整理など、さまざまな懸案事項に対応。再開発組合と二人三脚でこれらを推し進め、本プロジェクトはついに竣工を迎えました。

現在は、再開発ビルとして地域コミュニティが形成されていく様子を肌で感じながら、清掃活動などコロナ禍でもできるエリアマネジネントを入居者の皆さまと一緒に模索しています。

森 繁樹
関西住宅事業本部 開発第二部事業企画グループ グループリーダー

細部まで突き詰めた街のデザイン

本プロジェクトにおける当社の関わり方の特徴として、「住宅に限らず、非住宅(商業・公共施設)の部分にも広く細かく目を配った」ということが挙げられると思います。

全体の外観・意匠や住宅施設のスペック、商業施設のテナント配置へのこだわり。そして、再開発事業本来の目的である地区の各種インフラ整備・動線の整理、施設建築物である「グランシップ」「ブランズタワー大船」と関連する部分の調整など、気を配る箇所はたくさんあります。

また、この再開発事業によって生まれ変わる「街のあり方(コンセプト)」も大きなポイントのひとつでした。再開発事業では、権利者の皆さまとともに「街のコンセプト」を策定する必要があり、そうした方々の共感を得るためにも、建物のコンセプトを細部まで詰めることが重要でした。本地区においては「大船」という地名、「ターミナル駅」というふたつの要素から、「豪華客船に見立てデザインする」というアイデアにたどり着きました。「グランシップ」へのアプローチは、桟橋を渡って乗船するイメージに重ねて設計し、世界観をつくり込むため、床面にはデッキ風のタイルを貼るなど、商環境設計の担当者と全体設計の担当者と相談・連携し工夫しました。

さらに、駅から歩けるという利便性の上では、駅と商業施設の近さが大切である一方、利用者が駅から建物を見たとき圧迫感を感じないよう、近づけすぎてもいけないという配慮が必要です。両者のバランスには頭を痛めました。

豪華客船の船首に見立てた外観の「グランシップ」

桟橋を渡り「グランシップ」に乗船するアプローチ

7年にわたる事業の間、各セクションではさまざまな苦労がありました。最終的に、珍しい形のシンボル、街のランドマークと呼ぶにふさわしいものに仕上がったと思っています。地域の皆さまや訪れた方々に、「大船駅笠間口がきれいになって、そして便利になって帰ってきた」と感じていただければ、それ以上に嬉しいことはありません。

事業概要

大船再開発事業
正式名称は「大船駅北第二地区第一種市街地再開発事業」。1999年に再開発準備組合を結成するなど、20年以上にわたり進められてきた。約17,000㎡の敷地に、バスターミナル機能を集約した駅前広場、駅直結の大型商業施設「GRAND SHIP(グランシップ)」、住宅棟「ブランズタワー大船」、自転車駐車場、公園などを整備した。

東急不動産ホールディングスでは長期ビジョン「GROUP VISION 2030」を発表しました。そのなかで、6つの価値創造への取り組みテーマ(マテリアリティ)を定めています。本プロジェクトは「多彩なライフスタイルをつくる」「ウェルビーイングな街と暮らしをつくる」「サステナブルな環境をつくる」「デジタル時代の価値をつくる」に該当するものと考えます。

11.住み続けられるまちづくりを

17.パートナーシップで目標を達成しよう

東急不動産ホールディングスグループは、2015年に国連サミットで採択された2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献しています。持続可能な世界を実現するための17の目標のうち、取り組む項目を定め、SDGsを起点にサステナブルな社会と成長をめざします。
本プロジェクトにおいては、上記の目標の達成に寄与するものと考えます。

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