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Webマガジン
「大船再開発」篇
グループのシナジーを発揮し、
プレゼンスを高めていく
vol.38
2021.11.26
前回に続き、東急不動産が7年をかけて取り組んできた大船再開発プロジェクトを取り上げます。今回は、プロジェクトを成功に導くことができた要因や当社が果たした役割、さらに今後の再開発事業の展望について、担当者が語ります。

森 繁樹:
関西住宅事業本部 開発第二部事業企画グループ グループリーダー
「成功しない」と言われていたプロジェクト
もともとこの大船再開発プロジェクトは、コンサルタントの方々から「まずもって成功しないだろう」と言われていました。横浜市と鎌倉市、双方の意見を取り入れる必要があったこと、区域内に占める公共施設(駅前広場・道路・駐輪場等)の割合が高く、調整事項が多く存在することなど、難しいと思われるさまざまな要因があったのです。実際、公共施設部分の一部は1年遅れの完成となりました。
しかし、JR大船駅は交通の結節点であり、私たちが手がけたのは駅前のランドマークになる場所。大きな重圧がありましたが、私は「難しい、成功しないと言われているからこそ、成功すれば地域の皆さま、ひいては再開発を望まれている本地区以外の権利者の方々、行政担当者にとって価値や意味のあるものができるはず」と考えていました。結果、完成に導くことができたのですから、この点は胸を張っていいと思っています。

グループの総合力で、地域から受け入れられるテナントミックスに
本プロジェクトを成功に導くことができたのは、当社グループの事業ウィングの広さ、再開発事業本部の中に商業施設開発の知見を持つメンバーがいるという組織体制が大きかったと思います。
住宅だけでなく、非住宅の商業施設においてもスピーディな対応ができること。権利者さまのお問い合わせにも素早く反応し、想いをくみ取ることができること。そこが、まさに当社の再開発事業の強みであり、私たちに対する信頼につながったのだと思います。さらに、再開発事業本部内にとどまらず、東急不動産ホールディングスグループとしてもシナジーを図りました。
例えば、商業施設にはどんなテナントに入っていただくかについては、東急SCマネジメントの担当者が権利者の皆さまとの話し合いに参加。なかには説得のため、権利者さまのもとに何度も通い詰めたケースもあります。この権利者さまからは開業後、「東急不動産が推したテナントに入っていただいてよかった」というお手紙をいただきました。
各テナントは今年2月から順次オープンしていますが、1〜2階のフードモールは堅調ですし、3〜4階の家電量販店にはオープン当日、500人以上の行列ができたと聞いています。お客さまからは「おしゃれなカフェができて嬉しい」という声もありました。グループ内の協業が実現できたからこそ、こうして地域の方々に受け入れていただけるテナントミックスになったのではないかと安堵しています。改めて、事業会社間の垣根を越えた協業によって産み出されたシナジー効果だと、強く実感しています。

再開発事業のプレッシャーと手応え
大規模プロジェクトにおいて、当社はあらゆる関係者の間に立ち、さまざまな調整に奔走しながら、核となる再開発のコンセプトを実現に導く立場です。再開発事業には、再開発組合、行政、コンサルティング会社、ゼネコン、その他専門家など、数多の関係者が関係します。加えて今回は、グループ各社が事業に参画したプロジェクトでもありました。(商業コンサルタント・PM業務:東急SCマネジメント、施設管理業務:東急コミュニティー、賃貸資産管理:東急住宅リース、住宅販売:東急リバブル)
地域のランドマークとなりうる建物を生み出すプレッシャーや苦労も大きいですが、その分やりがいもあります。また、事業を成功させることで、再開発事業というカテゴリーの中ではありますが、東急不動産というブランドのプレゼンスが確実に上がっているという実感があります。
当社グループは、長期ビジョンで今後も再開発事業に注力していくことを明言していますし、渋谷駅前の桜丘口や十条西口(北区)、五反田(品川区)といった現在進行中のプロジェクトもあります。各プロジェクトを通じて得たナレッジやノウハウを蓄積・共有し、多くの従業員を巻き込んで会社として成長しながら事業を展開していければと思っています。さらなる発展を見込む当社の再開発事業に、ぜひ今後もご注目ください。