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2020年10月15日

プロジェクト・ノート

「東京ポートシティ竹芝」篇

最先端のスマートシティで
未来のライフスタイル創造へ

Part 1

70年後の姿を思い、
世代を超えた街づくりに取り組む

東急不動産 エリアマネジメント/
スマートシティ事業担当

東京湾を望む「海の玄関口」、そして羽田空港から至近の「空の玄関口」にある竹芝に、都有地を活用した国際ビジネス拠点「東京ポートシティ竹芝」が誕生しました。「デジタル×コンテンツ」を軸に、世界中の人、情報、ビジネスをつなぎ、職住近接による新たなライフスタイルの創出をめざすプロジェクトです。エリアマネジメントを中心に、新しい街づくりに挑戦する担当者に、未来への想いを聞きました。

インタビュー
花野修平:東急不動産株式会社 都市事業ユニット 都市事業本部 スマートシティ推進室 課長補佐

先端技術を街レベルで実験実装できる数少ないフィールド

このプロジェクトは、2013年に東京都のコンペティションをきっかけにスタートしました。東京都が推進する「都市再生ステップアップ・プロジェクト」として、都有地を約70年の定期借地で借り受け、コンテンツ産業の育成・発展に資する機能を備えた街づくりであり、国家戦略特別区域計画の特定事業でもあります。

竹芝地区のコンテンツ産業の集積に向け、2015年に設立された一般社団法人CiP協議会とも連携し、デジタル技術を活用した国際ビジネス拠点の形成をめざしています。CiP協議会は、コンテンツ企業(TV・広告・音楽・教育・エンタメ)や通信、モビリティなどの多岐にわたる業界の事業者で構成され、「デジタル×コンテンツ」に関するさまざまな活動の実施母体となっています。

オフィスとレジデンスを備えた都市型複合再開発である「東京ポートシティ竹芝」のオフィスタワーには、ソフトバンクグループや慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科が入居し、最先端のテクノロジーを活用したスマートシティ/スマートビルの共創に取り組んでいます。東京版Society 5.0「スマート東京」における先行的なモデルプロジェクトにも選定されました。

私は、このプロジェクトに携わって4年目になります。不動産業は、住宅やオフィス、リゾートなど、それぞれアセットは違えど、ハコをつくり、そこから収益を上げる事業です。しかし、このプロジェクトは、ハコこそつくるものの、それに付随するさまざまなコンテンツやデジタル技術を実験し実装するという点が、一般の不動産業とは異なります。新しい働き方・住まい方を提案し、さらには都市の新しい文化を創造していく街づくりを展開する。これまでの東急不動産の取り組みにはない形のビッグプロジェクトです。それだけに、寄せられる期待の大きさをひしひしと感じる一方で、前例のない取り組みに、答えがわからないながらも、研究者、テクノロジー系のクリエイター、異業種の新規ビジネスを考える熱意ある方、地域の高校生・大学生など、不動産業から飛び越えたさまざまな世界の人々との出会いや議論に、日々ワクワクしながら取り組んできました。

私が着任した当時はCiP協議会の活動もまだスタートしたばかりで、ドローン、ロボット、デジタルアート、スマートシティなど、テーマは壮大ですが、なかなか具体的なものが見えておらず、模索する時期が続きました。この街自体にどれだけ新しいコンテンツを導入できるのか。個々のプロジェクトを導入するには街をどう動かせばいいのか。先端技術そのものを実験する場所は他にあっても、街というレベルで実験できるフィールドは竹芝にしかない。それぞれのプロジェクトを実験から実装までステップアップさせるために、ステークホルダーの想いを汲み取り、心をつかんで、リーチすること。それが、私たちの頑張りどころでした。そして、現在では、多様な交通手段を使って効率よく移動するMaaSの実証実験が始まり、テクノロジーを活用した街全体でのプロジェクトも前進しようとしています。

エリアマネジメントという役割から、街づくりに向き合う

私たちが創る「東京ポートシティ竹芝」は、街の一部でしかありません。都市再生プロジェクトとして、ここを足がかりに「デジタル×コンテンツ」を竹芝地区全体に広げていくことが目的です。そのために、街の人たちの声をどれだけ吸い上げられるか、街の人との信頼関係をどのように築いていくかが、重要な課題です。

この地域には、劇団四季や東海汽船、ホテルや学校、竹芝ふ頭や旧芝離宮恩賜庭園など、それぞれ個性的な地域資源がありますが、もともとあった町会が解散してしまい、地域の方々をつなぎ、地域をリードして街を動かすプレイヤーがいませんでした。そこで、私たちはエリアマネジメント活動で主体的に街と関わり、街を引っ張ることで、地域の皆さんが一体感を持てる新しいコミュニティづくりに挑戦しました。今では、「竹芝の東急不動産」として、地域の皆さんからも認識されるようになってきたのではないかと思います。

エリアマネジメントへの手応えを感じたのは2017年8月に開催した地域コミュニティーイベント「竹芝夏ふぇす」です。このイベントでは、プロジェクションマッピングによる道案内表示や、燃料電池自動車を使った実験などを行いました。まだ実装化はできていませんでしたが、街と新しいものを結びつけるテクノロジーへの期待感を、地域の皆さんに抱いていただき、行政にも存在感をアピールすることができました。やはり、ひとつできると「次に行こう」「今度はこれにチャレンジしよう」という風に、新しいことをやるサイクルができます。あのとき、第一歩を踏み出せたことは、非常に大きかったです。

余談になりますが、昨年は、長く途絶えていた地域神輿を30年ぶりに復活させました。もともと「海岸」という名称で神輿を担いでいたそうですが、新しく生まれ変わった竹芝を印象づけるために心機一転、「竹芝」という神輿に名を変えて地元の皆さん約100名で担ぎました。こうした地道な活動が、地域とつながり、一体になれる、大切なことだと考えています。これからも、地域に根づいた活動を継続していくことで、竹芝地区の就業者・居住者・就学者・来街者から必要とされる会社であり続けたいと思います。

長期的な視点で取り組む、世代を超えた街づくりへの使命

緑や海に囲まれ、住宅や学校があり、オフィスもホテルも劇場もある竹芝は、多彩な都市機能がまとまった街です。このコンパクトなエリアに、多様な魅力と合わせて都市が抱える社会課題も有しているため、今後の街づくりを考える上で新しい試みを実証・実装できる無限のフィールドが広がっていると感じます。

Society 5.0の時代を迎え、さまざまな社会課題をテクノロジーが解決していくなかで、働き方、住まい方、過ごし方の選択肢も世の中にあふれようとしています。いつの時代も、街で過ごす方々が快適に過ごしていただけるようになることが街づくりの本質だと考えています。地域の声に向き合うエリアマネジメントと最先端のテクノロジーの融合により、私たちは竹芝を、そういう街に育てていきたいと思っています。「東京ポートシティ竹芝」が、東急不動産の街づくりの試金石として、街づくりのフロントランナーになれるよう取り組んでいきます。

竹芝プロジェクトは70年間の事業継続が決まっています。私たちが見据えているのは、20年30年先の街の姿です。短期的な利益を追うのではなく、中長期目線で街の基盤をつくらなくてはなりません。そのためには、地域資源を発掘し、育て、つながりを大切にしたいと思っています。長きに渡って語り継がれる、世代を超えた街づくりを担う使命を、強く感じています。

Project Information

名称 東京ポートシティ竹芝
事業主体 株式会社アルベログランデ
(東急不動産と鹿島建設が設立した事業会社)
所在地 東京都港区海岸一丁目20番9他
延床⾯積 約 201,410m2
建物規模 A街区 地上40階、地下2階/B街区 地上18階
開業 2020年9月14日